1. ホーム
  2. 金融 資産運用の基礎知識
  3. iDeCoと新NISA、両方やるべき人・やらなくていい人 税制メリットと落とし穴をFPが整理
iDeCoと新NISA、両方やるべき人・やらなくていい人

iDeCoと新NISA、両方やるべき人・やらなくていい人

「iDeCoと新NISA、結局どっちを優先すればいいの?」
資産形成の相談でよく出てくる質問です。

iDeCoと新NISAは、どちらも税制優遇がある制度ですが、優遇の“種類”が違うのです。
そのため、向いている人も、先にやるべき順番も変わります。

この記事では、税金の制度を踏まえて「両方やるべき人・やらなくていい人(=急がなくていい人)」を整理します。

iDeCoは「所得控除」・新NISAは「運用益非課税」

iDeCoの最大の特徴は、運用で増えた利益の他に、拠出(積立)したお金が 全額所得控除 になる点です。
税制上は「小規模企業共済等掛金控除」に入り、所得税・住民税の計算対象となる所得を直接減らします(=現役の税負担が軽くなる)。

一方、新NISAの特徴は、運用で増えた利益(売却益・配当等)が 非課税 になる点。
通常、株や投信の利益には約20.315%の税金がかかりますが、新NISAではそれがかかりません。

つまりこういうことです。

今の税金を下げたい(所得税・住民税がある)人はiDeCoの節税効果が大きい

給与所得などがなく、将来の運用益に税金をかけたくない人は新NISAがおすすめ

そして両方使える人は、税制メリットを“二重取り”できます。

図表:税制の違いを一枚で整理

iDeCoNISA
積立時の税制掛金が全額所得控除(税負担軽減)所得控除はなし
運用中の税制運用益は非課税で再投資運用益は非課税
受取時の税制一時金:退職所得控
年金:公的年金等控除
非課税(NISA内の利益に課税なし)
使い勝手原則60歳まで引き出せないいつでも売却・引き出し可
注意点受取方法で税負担が変わる損益通算・損失繰越ができない

両方やるべき人:税制メリットが“素直に効く”タイプ

両方の併用がオススメの方は、「iDeCoの所得控除がちゃんと得になる」うえで、「資金的にもさらに投資ができる」人です。

現役で所得税・住民税をしっかり払っていて(課税所得がある)、生活防衛資金も確保できている
この場合、iDeCoで“今の税金”を軽くしつつ、NISAで“増えた利益への課税”を非課税とできるので、税制優遇の効果が非常に良いと言えるでしょう。

さらに、将来の受取時もiDeCoは一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除という「出口の控除」を使えるため、受け取り方の設計次第で税負担を抑えられます。

やらなくていい人:iDeCoの所得控除が効きにくいタイプ

「iDeCoは節税」と聞くと、誰でも得しそうに見えます。
でも、税制は“前提条件”が揃わないと効果を発揮できません。

たとえば、課税所得がほぼない(所得税・住民税がほとんど発生していない)場合、iDeCoの所得控除メリットは小さくなります
このタイプは、新NISAのほうがシンプルに恩恵を受けやすいです。

また、近い将来に大きな支出予定がある、家計に余裕があまりない、生活防衛資金が十分でない。
こういう場合は、60歳まで引き出せない資金を増やすこと自体がストレスになり、家計を崩す引き金になります。
このケースでも、まずはNISA(いつでも現金化できる)を軸にしたほうが安全です。

迷ったらこの順で考える

制度の得・損は、結局「家計が続くかどうか」で決まります。
だから順番は、次のように考えるのが無難です。

  1. 生活防衛資金を確保(まずは家計の耐久力を上げましょう)
  2. 新NISAで長期運用の土台を作る(自由度と非課税を重視します)
  3. 課税所得があり、資金拘束が問題ないならiDeCoで所得控除を狙う

なお、新NISAは損失が出ても損益通算・繰越控除ができないという税務上の仕様があります。ここを理解して、商品選びとリスク量を調整するのが大切です。

まとめ:「制度」ではなく「税金+家計の設計」で考える

iDeCoと新NISAは、どちらが上という話ではありません。
iDeCoは「現役の税金を下げる(所得控除)」、新NISAは「運用益の税金を消す(非課税)」という大きな違いがあります。
この違いを踏まえて両方やるべき人に当てはまる方は、iDeCoとNISA両方することをオススメします。

SORAライフプラン事務所では、「制度の説明」ではなく、家計全体(住宅・教育・老後・働き方)と税制をつないで、あなたに合う優先順位を設計します。

「自分はどこまでやるべきか」が曖昧で迷っていて、一歩が踏み出せないのはもったいないので、そのような方はぜひご相談ください。