
【保険を分かりやすく解説】子供の教育費に備える学資保険とは?
子育てをしている親にとって、将来の教育費の準備は、最も大きな家計の課題の一つではないでしょうか。特に、私立への進学や、大学進学に向けてはまとまった資金が必要となりますね。そんな時に、計画的かつ確実に教育資金を貯めるための手段として検討されるのが「学資保険」なのです。
学資保険は、単なる貯蓄商品ではなく、「親に万が一のことがあった場合も保障される」という保険の機能を持っています。この特性こそが、他の金融商品にはない最大の強みと言えるでしょう。
この記事では、学資保険の基本的な仕組みから、教育費のピークに備える活用術、そして契約前に知っておくべき注意点まで、ファイナンシャルプランナー(FP)がわかりやすい言葉で解説していきます。
学資保険の基本:教育資金と親の保障を両立
学資保険を賢く使うためには、まずそのシンプルな基本の仕組みを理解することが大切です。
① 「保険料払込期間」と「据置期間」がある貯蓄システム
学資保険は、主に次の2つの期間で成り立っています。
【保険料払込期間】
契約者が毎月、保険料を払い込む期間です(例:子どもが15歳になるまで)。
【据置期間】
払い込みが終わった後、満期を迎えて保険金を受け取るまでの期間です(例:15歳から18歳まで)。
満期は、一般的に大学入学のタイミングである18歳頃に設定されることが多いです。この満期時に、設定した「満期保険金(祝い金)」をまとまった額で受け取れる設計になっています。
② 契約者が亡くなった場合の「保険料払込免除」
学資保険が、銀行の積立預金や投資信託と決定的に異なるのが、この「保障機能」です。契約者(主に親)が保険料の払込期間中に死亡したり、高度障害になったりした場合、その後の保険料の払い込みが免除されます。
以降の保険料を支払うことなく、当初契約した満期保険金や祝い金は予定通りに受け取れるのです。親に万が一のことがあっても子どもの教育資金は守られるという、「親の愛情を形にした保障」と言えるでしょう。
学資保険のメリットとデメリット:加入する前に知りたいこと
学資保険には、メリットだけでなく、デメリットも存在します。ご自身の家計状況や運用方針に合わせて検討することが大切です。
① 最大のメリットは「強制力」と「確実性」
【引き落としによる強制力】
学資保険の最大の利点は、その「強制力」です。毎月決まった額が引き落とされるため、途中で使ってしまう心配がなく、貯蓄が苦手な人でも確実に目標額まで貯められるのが大きな魅力です。
【金額確定による確実性】
また、満期保険金や祝い金の額が契約時に確定している商品が多いため、市場の変動に左右されず、将来の教育費を予定通りに準備できる確実性があります。
② デメリットは「途中解約」と「利回り」
【途中解約による元本割れ】
保険料の払込期間中に解約すると、多くの場合、支払った保険料の総額よりも少ない金額しか戻ってこない、「元本割れ」が発生します。そのため、満期まで絶対に払い続けられる金額で契約することが非常に重要です。
【利回りが低い】
低金利の状況下や、金利上昇の局面では、学資保険の利回りが投資などの金融商品に比べて低い、あるいは、わずかしか増えないケースもあります。高いリターンを期待する商品ではないことを理解しておくべきでしょう。
教育費のピークに合わせて設定する「満期保険金の受け取り方」
学資保険は、いつ、いくら受け取るかを細かく設定できる商品が多いです。教育費の大きな出費に合わせて、効果的な受け取り方を検討しましょう。
高校入学時と大学入学時の二段階受け取り
教育費は、高校入学時(受験費用や制服代)や、大学入学時(入学金や初年度学費)など、特定の時期に大きな出費が集中するものです。
満期保険金を一括で受け取るのではなく、「高校入学時に一部(祝い金)」「大学入学時に残りの大部分(満期保険金)」というように、二段階に分けて受け取るプランを選ぶと便利です。
これにより、家計の負担が重くなる時期に、確実な資金のサポートが得られますね。
誰を「契約者」にするか?節税にも関わる重要な決定
学資保険の契約者を誰にするかによって、税金の扱いが変わってしまいます。
一般的には、親(主に収入が多い方)を契約者とし、子どもを被保険者にする形がおすすめです。
【税制優遇】
契約者が保険料を支払うことで、生命保険料控除の対象となり、年末調整で税金の負担を軽減する効果があります。また、満期保険金は、契約者と受取人が同じであれば、一時所得として課税されますが、50万円の特別控除もあるため、ほとんどの場合、税金はかからないことが一般的です。
学資保険以外の選択肢:NISAや預貯金との組み合わせ術
すべての教育資金を学資保険だけで賄う必要はありません。他の金融商品と組み合わせることで、より効率的に教育資金を準備できます。
① NISAを活用した「積極的な運用」
学資保険は「確実性」が強みですが、「利回り」はあまり期待できません。そこで、リスク許容度に応じて、NISA(少額投資非課税制度)を活用し、学資保険で貯める額を補完する形で投資を行うのが効果的でしょう。
「一時的にかかる資金(大学入学金など)は学資保険で」、「運用しながら取り崩す期間のある資金(大学の授業料の一部など)はNISAで」と分けて準備することが、バランスの取れた戦略となります。
② 銀行の積立預金との使い分け
急な病気や留学など、いつでも引き出せる流動性が必要な資金は、積立預金や貯蓄預金として確保しておくことが大切です。学資保険は基本的に満期まで引き出せないため、短期的に必要な資金は預貯金で確保することが鉄則です。
まとめ:学資保険は「教育資金を確実に守り抜く」ための保険
学資保険は、「親の保障機能」という他の貯蓄商品にはない機能を持っています。特に、これから教育費の出費が本格化する子育て世帯にとって、万が一の事態から子どもの未来を守り抜くための、頼もしいツールとなるでしょう。
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